モテ・アルゴリズム

いわゆる、良い彼氏のエスコート、がうまくできない。

 

例えば荷物をさっと持ってあげる。車道側を歩く。奥の方の席に誘導する。こういったことが良い彼氏・エスコートだ。

いくら俺でも、これらは当然できる。できないのは「自然に」これらをやるということだ。俺の荷物の持ち方、車道側の歩き方には、思考が透けて見えていると思う。

 

自分が荷物を持つべきである→荷物を持つ

自分は車道側を歩かないといけない→車道側に移動する

 

といった思考の流れが野晒しになっている。

これは多分初動のスピードが原因。本物の良い彼氏は脊髄で良い彼氏をやっている。道が見えたらその瞬間に足が車道方向を向いているし、荷物が見えたらその瞬間に手が荷物に向かって伸びている。

 

高校の時の友達で1人だけ福井県民とは思えないくらい、格好良い男がいた。俺が衝撃を受けたのは、彼が、転びそうな女の子をみて即座に腕を腰に回し、支えた瞬間を見た時だ。

俺はその時女の子のもう片方の側でボーッとしていた。転びそうになっていることに気付いてもいなかったのでそもそもスタートラインに立てていないのだが、たとえ気付いたとしても絶対に腕は腰を支えられなかったと思う。

それどころか、俺は本当にどうしようもないダサ坊なので、

転びそうだ!→かわいそう

ってなった可能性すらある。

 

たとえ支えることを思いついたとしても

転びそうだ!→支えよう!→触ったらキモいって思われないかな。。。→指でちょこっと触れる

みたいな展開になった可能性が高い気がする。

 

ただやはりこれは、後天的にどうにかできるものではない気がするのだ。だって腰を支えた友人の彼は、人が転びそうな時の練習も、イメージトレーニングも絶対日頃していない。

きっと生まれた時から「人が転びそうになったら支える」というモテ・アルゴリズムが頭に(いや、脊髄に)あるのだ。

 

腰を持てない人間は、一生腰を持てないし、当然好きな人からモテない。

おちてないけど終わり。